
「最近、気分が落ち込みやすい」「不安やイライラが続く」「職場や学校のことを考えると体調が悪くなる」――。
こうした不調は、性格の問題ではなくストレスが引き金になって起きていることがあります。
ストレスが続くと、こころと身体のバランスが崩れ、日常生活に支障が出ることもあります。
つらさを抱え込まず、一度ご相談ください。
ストレス関連障害とは
「この仕事はストレスが多い」「ストレスで胃が痛い」「あなたはストレスに強い」など、ストレスという言葉は日常的に使われています。
本来ストレスとは、物体に外的刺激が加わることで生じる“ひずみ”を意味する言葉でしたが、現在では一般用語として広く用いられています。
心療内科や精神科で用いられるストレスとは、心理的な刺激や困難な状況、心にかかる大きな負担を指します。
このような心理社会的ストレスが主な要因となって生じる精神障害を、ストレス関連障害と呼びます。
ストレス関連障害に含まれる主な症状
- 適応障害
- 急性ストレス反応
- 外傷後ストレス障害 (PTSD)
適応障害
生活環境の変化や、強いストレスを伴う出来事の後に生じ、気分や行動にさまざまな症状が現れ、社会生活や日常生活に支障をきたす状態です。
原因となるストレスは、特別な出来事に限らず、入学や進級、友人関係の変化、就職・転職、転勤や転居、昇進、身近な人との死別、重い病気の診断など、日常的な出来事であることも少なくありません。
主な症状
- 抑うつ気分
- 不安感
- イライラ
- 怒り
青年期では攻撃的な行動や反社会的行動が見られる場合があります。
発症要因としてのストレスが解消すれば速やかに症状は消失することも特徴です。
急性ストレス反応
強烈な身体的あるいは精神的ストレスにさらされた直後に生じる反応です。
症状は通常、ストレスを受けてから数分以内に激しい症状が出現します。
その症状は一過性で数時間から数日以内におさまることが多いとされています。
すべての人に同じ症状が現れるわけではなく、個体のストレス耐性や対処能力も影響します。
原因となる出来事には、自然災害、事故、暴行、性暴力、戦闘など、生命や身体に対する強い脅威が含まれます。また、突然の死別や住居の喪失など、急激な社会的・環境的変化が引き金となることもあります。
主な症状
- 意識がぼんやりする
- 注意力が低下する
- 見当識が乱れる
などを伴う「眩惑状態」で始まることが多く、その後、引きこもりや逃避行動が見られることもあります。
抑うつ、不安、怒り、絶望感などが混合して現れやすく、動悸、発汗、顔の火照りといった自律神経症状を伴うこともあります。
急性危機反応、戦闘疲労、危機状態、精神的ショックなどの用語で呼ばれていた状態は急性ストレス反応に含まれると考えられます。
対応としては、身体的な安全の確保、安心できる環境づくり、共感的な関わりが重要です。必要に応じて、心理教育や一般的な薬物療法(睡眠薬・抗不安薬)が行われます。
ICD-10における研究用診断基準
- 極度な精神的または身体的ストレスに曝露されていること。
ストレスへの曝露からすぐに症状は始まること(1時間以内)。 - ストレスへの曝露からすぐに症状は始まること(1時間以内)。
- その症状は下記の2群からなり、次の重症度に分類される。
軽度: (1)だけを満たすもの
中等度:(1)に加えて、(2)のうち2症状があるもの
重度: (1)に加えて、(2)のうちの4症状があるもの、あるいは解離性の昏迷を認めるもの- 全般性不安障害の基準B・C・D項
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- 期待される対人関係からのひきこもり
- 注意の狭窄
- 明白な失見当識
- 怒りや言語的攻撃
- 絶望や失望
- 不適切または無目的な過活動性
- 制御できない過度の悲嘆(各地域における文化的規範を基に判断すること)
- ストレス因が一時的であったり緩和させられうるものであれば、その症状は8時間以内には鎮静化し始めねばならない。また、ストレス因が持続するものであっても、その症状は48時間以内に鎮静化し始めること。
- 主要な除外基準:この反応は、ICD-10の他の精神または行動の障害が現在存在していないか(ただし、全般性不安障害やパーソナリティ障害を除く)、ICD-10の他の精神または行動の障害の終了した3か月以内ではないこと。
外傷後ストレス障害 (PTSD)
災害や暴力、性暴力、重大な事故、戦闘、虐待など、生命や身体に強い危険を感じる出来事を経験した後、数か月経過しても強い苦痛が続く状態です。
主な症状
- つらい出来事が突然よみがえる(フラッシュバック)
- 悪夢を繰り返す
- 動悸や発汗などの身体症状
- 出来事を思い出させるものを極力避ける
- 感情が麻痺したように感じる
- 睡眠障害、イライラ、集中困難、過剰な警戒心、過覚醒症状
