気分が高揚し多弁となったり、不眠とは異なり睡眠をとらなくても平気だったり、人と積極的に会うなどの過活動を認めます。無計画に借金をして買い物を繰り返したり、怒りっぽくなって会社の同僚や上司、さらには店員と些細なことで激しい口論をすることがあります。本人は自覚できることもありますが、自覚できないことも多く、問題行動を注意すると反って関係が悪化する場合があります。うつ症状が出現することもありますが、出現しないこともあります。重度の場合幻覚や妄想を伴います。
生涯有病率は1.2%で性差は認められません。平均発症年齢は17~29歳で、単極性うつ病より年齢は若いです。病期のうちうつ症状を呈する期間は躁症状より多く、病状が変化することも特徴で年間約6回病状が変化し10回を超える場合もあります。症状が改善せず慢性に経過する場合が30%と言われています。
治療法としては、薬物療法や精神療法、心理教育、精神科リハビリテーションなどがあります。薬物療法としては、躁状態に対してリチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、オランザピン、アリピプラゾールなどの気分安定薬・非定型抗精神病薬が用いられます。双極性障害におけるうつ症状に対しては、ラモトリギンやSSRIなどが用いられることもあります。
支持的な精神療法が基本となりますが、本人や家族の疾患に対する正しい理解や薬物療法への理解が重要であるため心理教育も行われます。躁症状を繰り返すため同居している家族が疲弊している場合が多く、家族への精神療法も重要です。服薬指導や、飲酒や生活習慣に関する指導も必要に応じて行われます。
ICD-10における研究用診断基準は下記のとおりです。
軽躁病
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気分は高揚あるいは易刺激的であり、その程度は患者にとって確実に異常であり、かつ4日以上連続で持続すること。
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次の徴候のうち3項目以上が存在し、日常の個人生活機能にある程度の支障をきたしていなければならない。
- 活動性の亢進、あるいは身体的な落ち着きのなさ
- 会話量の増加
- 注意転導性、あるいは集中困難
- 睡眠欲求の低下
- 性的エネルギーの亢進
- 軽度の浪費、あるいは他の型の無謀ないし無責任な行動
- 社交性の亢進、あるいは過度の馴れ馴れしさ
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エピソードは躁病、双極性感情障害、うつ病エピソード、気分循環症、神経性無食欲症の基準を満たさないこと。
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主な除外基準:エピソードは精神作用物質の使用、症状性を含む器質性精神障害によるものではないこと。
精神病症状を伴わない躁病
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気分は主に高揚、誇大的、あるいは易刺激的であり、患者にとって確実に異常なものでなければならない。気分変化は顕著であり、1週間以上持続しなければならない(ただし、入院を要するほどの重症の場合を除く)。
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次の徴候のうち3項目以上が存在し(気分が単に易刺激的である場合は4項目)、日常の個人生活機能に重度の支障をきたしていなければならない。
- 活動性の亢進、あるいは身体的な落ち着きのなさ
- 会話量の増加
- 観念奔逸、あるいは思考の進み方が速いという主観的体験
- 正常な社会的抑制の喪失、その結果として状況に不適切な行動となる
- 睡眠欲求の低下
- 過大な自己評価、あるいは誇大性
- 注意転導性、あるいは活動や計画の絶え間ない変化
- そのリスクを患者が自覚しない無鉄砲あるいは無謀な行動、例えば乱費、馬鹿げた企て、無謀な運転
- 顕著な性的エネルギー、あるいは性的逸脱
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幻覚や妄想は存在しないこと。もっとも、知覚障害はみられることがある(例えば、主観的聴覚過敏、色彩が特に鮮明に見える)。
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主な除外基準:エピソードは精神作用物質の使用、器質性精神障害によるものではないこと。
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