人前で話したり、字を書いたり、食事をするなど人から注目される場面で、自分が恥をかいたり恥ずかしい思いをするのではないかという強い不安・恐怖が生じ、そのような場面を避けようとします。そのような状況を回避しない場合には強い不安や苦痛が生じ体の震えや動悸、発汗などの症状が生じます。
生涯有病率は13%という米国での報告があり、男性より女性で多いです。あらゆる社会状況で不安感が生じる全般型と、不安な状況が限定される非全般型があります。日常生活や社会生活に支障をきたすようになると治療の対象になります。うつ病やアルコール依存症など他の精神疾患が併存することが少なくありません。
治療法として抗不安薬、SSRI、認知行動療法などがあります。少量の抗不安薬を頓用で内服し、不安が生じる場面に対処することもあります。病気の経過は慢性的で、治療を受けなければ自然に治ることは少ないと言われています。
人前で話すことが多い教育現場や会社などで大きな問題となることがあります。私の経験では、社会不安障害のため管理職などの昇進を断らざるを得ないこともあり、ご本人ばかりでなくご家族にとっても深刻な問題となることがあります。
ICD-10による診断基準は下記のとおりです。
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次の2項のうちのいずれかが存在すること。
- 注目の的になるのではないか、収拾のつかない恥ずかしい行為をしてしまうのではないかという顕著な恐怖
- 注目の的になるのではないか、収拾のつかない恥ずかしい行為をしてしまうのではないかという恐れのある状況を顕著に回避する
これらの恐れは、人前での食事や発言、人なかでの知人と偶然出会うとか、少数の集まり(例:パーティ、会合、教室)に参加するとか、付き合わされるなどといった、社会的状況で明らかになる。
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障害の発症後、ある恐怖的状況において広場恐怖の基準B項(※)に定義される不安症状の2項目以上に加えて、次の症状のうちの1つを満たすこと。
- 赤面または震え
- 嘔吐の恐怖
- 排尿や排便の差し迫った感じ、またはその恐れ
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症状や回避のために明らかに苦痛を感じ、またそれが過剰で不合理であると分かっていること。
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症状発現は、恐怖症的状況におかれたり恐怖症的状況について考えるときに限られるか、あるいは優性であること。
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主な除外基準:基準AとBの症状は、妄想や幻覚、あるいは器質性精神障害、統合失調症とその関連障害、および気分(感情)障害、または強迫性障害のような症状によるものではないこと、またそれらは文化的信念による二次的なものではないこと。
※ 広場恐怖の基準B項
自律神経性の刺激による症状
- 動悸、または強く脈打つ、あるいは脈が速くなる
- 発汗
- 振戦または震え
- 口渇(薬物や脱水によらないこと)
胸部、腹部に関する症状
- 呼吸困難
- 窒息感
- 胸部の疼痛や不快感
- 悪心や腹部の苦悶(たとえば、胃をかき回される感じ)
精神状態に関する症状
- めまい、ふらふらする、気が遠くなる、頭がくらくらする感じ
- 物事に現実感がない(現実感喪失)、あるいは自分自身が遠く離れて「現実にここにいる感じがしない」(離人症)
- 自制が出来なくなる、気が狂いそうだ、あるいは気を失うという恐れ
- 死ぬのではないかという恐怖
全身的な症状
- 紅潮または寒気
- しびれまたはちくちくする痛みの感覚
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