睡眠障害

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はじめに

睡眠障害

ストレスが多く不規則な生活を強いられる現代社会において、睡眠の問題が大きく取り上げられています。日本人の5人に1人が睡眠に問題を抱えていることが疫学調査によって明らかとなっています。
睡眠障害により作業効率の低下、欠勤や遅刻、エラーの発現、運転事故、生活の質の低下などが起こると考えられます。

睡眠障害の中で最も頻繁に見られるのが不眠を主訴とする病態(不眠症)です。
不眠症にはいくつかの原因がありますが、軽症の不眠では睡眠の環境や生活習慣を見直すことにより治ってしまうものも少なくありません。中等症以上の不眠症で薬物療法を要する場合でも、睡眠をとる上での適切な環境や規則正しい生活習慣、さらに睡眠に関する正しい知識を身につけることは極めて重要です。
以下に睡眠障害を解消するためのいくつかの方法を紹介します。

睡眠時間について

「睡眠時間が6時間しかとれないが、もっと長く眠りたい。」などと悩んでいらっしゃる人がいます。しかし、体が必要とする以上の睡眠をとることは不可能であり、決して何時間眠らなくてはいけないと考える必要はありません。

もともと睡眠時間が非常に短い人(5時間未満)や長い人(10時間以上)がいますし、年齢や季節によっても睡眠時間が変動します。

睡眠時間は人それぞれで、睡眠時間にこだわり過ぎないようにしましょう。

生体リズムについて

生体リズムで最も重要な要因は光です。寝入りに強い光を浴びることにより生体リズムが遅れるため、入眠前の強い光はなるべく避けるほうが良いでしょう。
逆に、起床時の強い光は生体リズムを早めるため、起床後に日光などの強い光を浴びることにより寝付きは良くなり睡眠は深くなります。「遅寝、遅起き」の悪循環を絶つためにも、起床時間を一定にして生体の概日リズムを整えることは重要です。

また、寝付きが悪いので起床時間を遅らせてゆっくり寝ようとしたり、昼寝で寝不足を補おうとすると、夜間に入眠が出来なくなり生体リズムが乱れてしまいます。このような誤った睡眠習慣を改善することによって、不眠を解消することができます。

食事・入浴・運動について

入眠直前に食事をとった場合には胃腸が活発に活動し頭がさえるため、寝付きが悪くなったり深く眠れなくなります。入眠3時間前には食事を終えて、床につく頃には胃腸を休ませておくと良い睡眠がとれます。就寝直前に熱いお湯に入ってしまうとなかなか寝付けないことがあります。

体温が上昇する時期は入眠し難く、体温が低下するときは入眠し易いことから、就寝前に入浴する場合なるべくぬるめのお湯に入る方がよいでしょう。できれば就寝2時間前までに入浴することをおすすめします。午後の適度な運動により入眠し易くなる一方、夜の激しい運動により入眠し難くなります。寝付きを良くするためには夜間の激しい運動はなるべく避けた方が良いでしょう。

アルコールなどの嗜好品について

「睡眠薬を飲むくらいなら、寝酒の方がまし。」と考えている人を意外に多く見かけます。確かに就寝前に少量飲酒することにより、寝付きが良くなる場合があります。

しかし、飲酒によって深夜から早朝にかけて睡眠が浅くなり睡眠が妨げられることがあります。また、アルコールには利尿作用があるため夜間トイレで目が覚めることが多くなります。

さらに、アルコールを毎日飲むことにより耐性が形成されて、同じように寝付くためのアルコール量が徐々に増えることがあります。長期間の飲酒は、アルコール性肝障害・肝硬変やアルコール依存症といった病気の原因となる可能性があるので、寝付くためにお酒を飲むことは決して良い方法とは言えません。

カフェインには覚醒作用や利尿作用があるため、就寝前に摂取すると入眠障害や中途覚醒を引き起こします。したがって、就寝前のコーヒー、紅茶、緑茶、ココア等は控えた方が良いでしょう。

タバコの吸入直後にはリラックスさせる作用がありますが、その後は覚醒作用によって中途覚醒が生じる場合があります。ニコチンガムやニコチンパッチにも同様の作用があり、注意が必要です。

睡眠環境について

睡眠障害

音、部屋の温度や湿度、部屋の明るさ等の環境要因によって十分な睡眠がとれないことがあります。隣で寝ている人のイビキや歯ぎしり、自動車などの騒音によって眠れないことがありますし、かえって無音状態でも不安が高まり眠れないこともあります。適切な室温や部屋の湿度、明るさを保つことにより快適に眠れることが出来ます。さらに、マットレスや枕が沈み込みすぎると眠りにくくなる場合があるので、体にあった寝具も重要です。

心理的要因について

眠ろうという気持ちが強すぎる余り、早い時間から布団に入る人がいます。早く布団に入ることにより早く眠れるような気がしますが、眠ろうという焦りによってかえって眠れない場合があります。眠くないのに眠ろうとすると、「今夜もまた眠れなくなるのではないか。」という不安が強くなるので、眠くなってから布団に入るようにすると良いでしょう。

それでも睡眠障害が改善しない場合

以上のような工夫をしても上手く睡眠がとれない場合は身体疾患や精神疾患が原因である場合があるため、医師に相談する方が良いと思います。
不眠症の原因となる疾患は以下の様なものがあります。

身体疾患

高血圧、腰痛、頭痛、喘息、糖尿病、過敏性腸炎、心不全、胃食道逆流症、睡眠時無呼吸症候群等があります。

精神疾患

不安障害、うつ病、アルコール依存症、認知症等が不眠症の原因となることがあります。


さらに、降圧薬、ステロイド薬、経口避妊薬、抗炎症薬、喘息薬、睡眠薬等の薬物によって不眠が生じる場合があります。治療薬を服用している場合は主治医に相談することも必要です。

睡眠障害対処に関するガイドライン(厚生労働省)

最後に、厚生労働省が作成した睡眠障害対処に関するガイドラインを以下に示します。是非ご参考にしてください。

睡眠障害対処12の指針

  1. 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
    • 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない。
    • 歳をとると必要な睡眠時間は短くなる。
  2. 刺激物は避け、眠る前には自分なりのリラックス法
    • 就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける。
    • 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング。
  3. 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
    • 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝付きを悪くする。
  4. 同じ時刻に毎日起床
    • 早寝早起きではなく、早起きが早寝に通じる。
    • 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる。
  5. 光の利用で良い睡眠
    • 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。
    • 夜は明るすぎない照明を。
  6. 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
    • 朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。
    • 運動習慣は熟眠を促進。
  7. 昼寝をするなら、15時前の20~30分
    • 長い昼寝はかえってぼんやりのもと。
    • 夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響。
  8. 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
    • 寝床で長く過ごしすぎると熟眠感が減る。
  9. 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
    • 背景に睡眠の病気、専門治療が必要。
  10. 十分眠っても日中の眠気が強いときは専門医に
    • 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。
    • 車の運転に注意。
  11. 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
    • 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる。
  12. 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
    • 一定時刻に服用し就床。
    • アルコールと併用しない。

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